| 特集 情通審「第2次中間答申」を読む 「条件不利」克服へ光IP再送信提案
情通審「第2次中間答申」を読む
(文:吉井 勇・『月刊ニューメディア』編集長)
月刊『ニュ-メディア』2005年10月号掲載記事
(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい)
聖域なきアプローチ
7月29日に出された総務省の情報通信審議会(以下、情通審)第2次中間答申は、「2011年全面移行ミッションの確実な実現に向けて」とサブタイトルが付されている。
昨年の第1次中間答申を受け、「公共分野における利活用推進」と、「デジタル全面移行の実現」の2課題をパッケージとして捉え、デジタル全面移行を旗印に、これまでに絶対というほど踏み込んでこなかった「通信・放送融合」策が具体的に盛り込まれた。
光ファイバーによるIPマルチキャストによる再送信が明記されたのである。63ページにわたる答申のうち、15ページにもわたった詳細な記述にその決断が伝わる。併せて、通信衛星の利用も解禁するという。
第2次中間答申の概要
情通審が出した概要版をもとに紹介する。
「基本的な考え方」として、デジタル放送サービスの先導役として公共分野の利活用推進と、中継局の整備は民間主導が原則という第1次中間答申の方向性を受け継ぎ、2011年アナログ停波に向け、全面移行を果たすためにあらゆる手段を検討し、可能なものから実施する必要性を宣言している。
「公共分野における利活用推進」では、1セグ放送やサーバー型放送を利用した高度なサービスの導入について実証実験の推進を提案。
そして、「デジタル全面移行に向けた重点施策」を提言。ここでは3つの施策推進を掲げる。
(1)中継局整備の全体像の明確化
(2)アナログ受信機に関する視聴者への情報提供や、コピーワンス等の著作権保護の仕組みの見直しなど
(3)IPや衛星を活用した再送信
この3施策について「できるだけ目標年次の明確化」をすることとし、次の5項目に整理している。
(1)中継局整備では、年内にすべての中継局整備のロードマップを公表
(2)IPマルチキャストによる再送信
2008年中にHD品質で全国開始。その仕組みづくりのために、2006年から都市難視聴解消の効果検証も含め、SD品質で取り組みを開始。
(3)2007年内に衛星の活用を目標
(4)「コピーワンス」等、著作権保護の運用見直し
(5)アナログ受信機の使用についての周知と方法
地域と放送の関係を問い直す
この中間答申に対し、各地の放送局から「地域免許制度はどうなるのか」と疑問の声が一斉に上がった。IPマルチキャストや衛星伝送で、果たして地域性が確保できるのか。圏域など関係なく、全国を一気に送られてしまうのではないか、という不安である。
こうした意見が渦巻く中で、地域メディアとしての放送を再考する絶好の機会だと冷静な対応を見通すケーブルテレビの経営幹部がいる。現在、具体策を検討していることもあり、とりあえず匿名で紹介しておく。
「今後、ケーブルテレビ事業者が取り組む課題は、大手通信事業者ができなく、地域の我々ができるサービスの差別化事業と考える」として、次の6項目メモを示した。
・地域防災情報--被災地からの上り情報
・映像の遠隔双方向--お元気テレビ電話
・在宅での宅配サービス--独居老人の支援
・セキュリティ--家庭や幼稚園、小学校等の定点カメラ利用
・電子自治体サービス
・地域の芸術・文化のデジタルアーカイブ(VOD)
そのためにはケーブルSTBに新たな機能を用意し、オープンなプラットフォームとして標準化を推進するという。これを機に、飛躍のチャンスと捉えたメディアとしての意思と展望を感じる。日本の放送界は、技術の進化をあまりにも恐れすぎてはいなかったか。

(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい)

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