野村證券がBSデジタルで
エリア別マーケティング

2002年5月号掲載(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい
 3月17日から2週間、BS-iとBS朝日の2つの放送で、野村證券が新しいエリアマーケティング手法の開発を目指してエリア別広告配信を行った。採用したシステムは、電通が開発した「AD-JIGSAWTM」。そのねらいを野村證券(株)の担当者である真殿修治・営業企画部次長兼マーケティング企画課長にお聞きした。
(吉井 勇=本誌編集長)


テレビの幅広い訴求力と
DMのエリア性をあわせ持つ

  日本の証券市場においても、リテール取引の成長が著しい。とくに、この分野に力を入れる野村證券では、全国にある126の支店が展開するエリア戦略を非常に重視しているという。
 「全体の商品戦略や宣伝計画などは本社サイドが担当しますが、エリアごとの戦略は各支店が中心となる自主経営の方針をとっています」と真殿修治・営業企画部次長は支店重視の戦略を話す。その大きな戦力となるのが、全国各地で行われている「セミナー」だという。その回数たるや「全国で月に800回以上です」。こうして獲得する新規の契約は、年間30万件になるという。
 そこで求められるのが、効率的で効果のある案内だ。「証券会社の店頭印象度は3年前に比べて『親しみやすさ』は格段によくなっていますが、まだまだ敷居が高いと思う方も多い。そこをなんとか変えていくのが大きな課題です」と話す。
 これまでセミナーの案内は、ダイレクトメールや新聞の折込チラシなどが主流。「テレビの持つ高い訴求力を生かし、しかもDMやチラシのようなエリア性を持たせたいと常々考えていました」というのが真殿次長の所属する営業企画部門であった。

郵便番号のエリア別に運用できる
「AD-JIGSAW」を採用

 そこに登場したのが、BSデジタル放送。「以前から興味を持ち、研究していました。とくに双方向性をどう使うかでした」と真殿次長。そこで、(株)電通が開発した「AD-JIGSAW」に注目した。これはBSデジタル視聴者が登録する7ケタの郵便番号を生かしたもので、そのエリア別に配信データを変えることができ、テレビにつながる電話回線で視聴者からのリターンデータを効率よく収集し、クライアントへ提供するという「エリア別データ放送運用システム」である。
 真殿次長は「テレビの持つ幅広い層への訴求力と、エリア別に細かくマーケティングできるという2つのねらいがミックスしたもの」と、期待を話す。

映像CMから鮮明なねらい
リターンデータを詳細に分析

 野村證券の「AD-JIGSAW」を使ったCM展開策は、非常に練られている。映像で流す30秒CMは、ターゲット層を意識して2種類を用意。これからの資産づくりに差しかかる30歳代には「子どもの入学式」バージョンで、60歳以上には「娘の結婚式」バージョン。ねらいがはっきりと絞り込まれている。
 連動したデータ放送では、渋谷、自由が丘、玉川、たまプラーザ、青葉台の5支店が商圏エリアとする視聴者に、「セミナー情報」と「支店の住所情報」を配信。また、千葉、大宮、高崎など首都圏25支店の商圏視聴者には「住所情報」を送る。
今回の試みを「どの年代が、いつの時間帯に反応が多いとか、どういった関心があるのかなど、きめ細かい分析ができることをねらっています。アテンションからアクションへどうつながっていくのか。テレビCMの効果を、ある程度ダイレクトにつかめるのではないかと期待しています」と真殿次長。その軌跡から何が読み取れるか、BSデジタルが試される。


(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい

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