<地上デジタル戦略特集>
地上デジタルの開始スケジュールはどうなる!?
地上デジタルの成否を握る「アナアナ変換」

2002年2月号掲載(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい
 11月20日、地上デジタル放送のスケジュール見直しが発表になった。アナログ周波数変更対策、通称「アナアナ変換」が予想以上にてこずることが判明したからだ。「このまま延期すればいい」「うーんとずれ込めば……」という声が民放局の幹部から聞こえる。歓迎されざるデジタル化を象徴する言葉が飛び出してきた。そもそも地上デジタル放送に関して、「非常に議論が少ない」というのが本誌の判断だ。スケジュールにしても、放送技術規格についても、あまりにも知られていないし、知ろうという動きも少ないのではないか。資料的な情報も交え、地上デジタル放送のスケジュールと、放送技術規格づくりの現状を整理した。議論発展のために活用いただきたい。(資料制作協力・参照/総務省放送政策課、NHK放送技術研究所発行『NHK技研R&D』、日本ビデオコミュニケーション協会発行『JAVCOM NEWS』)
(文:吉井 勇=本誌編集長)


予算総額727億円を獲得
2001年度から開始予定が……

 日本は電波の周波数に余裕がなく、ラッシュアワー状態。新たにデジタルに転換していくためには、満杯のアナログと、その合間をぬってスタートするデジタルとが、ある時期併存せざるを得ない。そこで、デジタルの電波を割り当てるために、アナログ放送のチャンネルの変更が必要となる一部の地域が出てくる。このとき行われるアナログ周波数変更の作業を略して「アナアナ変換」と呼んでいる。
 アナアナ変換については、国が推進することになっており、2001(平成13)年度から2006(平成18)年度までの変更対策経費として総額727億円が用意された。その初年度分の123億円をもって東名阪、岡山・高松地域、福岡、長崎、熊本、鹿児島でスタートし、2002(平成14)年度で20地域、2003(平成15)年度は30地域が予定されていた。
 11月20日に民放、NHK、総務省の三者で
成る全国地上デジタル放送推進協議会が発表したのは、「対策実施段階に入り、各地域ごとに詳細に電波状況の測定調査をしたところ、対策局所が増加した」というものだ。当初の見込みと違い、予想以上の数になったという。当初見通しの2.1倍で、世帯数も全視聴世帯の約1割、当初の1.7倍という数値が示された。
 このアナアナ変換は、視聴者の負担がないものの、新たなメリットが生まれるプラス面もない。だが、1軒ずつを訪ね、「今、見ているテレビが見られなくなります。チャンネルを変えてください」とか、「UHF用アンテナを変えてください」というお願いをして納得してもらう作業が必要で、手間がかかる。マンションの共同視聴、ケーブルテレビなど、個別に対処することも欠かせない。

スケジュールを遅らせる
要因はたくさんある

 そもそも「2003年開始」という日程に根拠と妥当性があったのか。業界関係者によれば、「電波監理審議会の議論では、もっと早い時期を望む意見も出た。やはり米欧の動きに遅れるなという判断があったのだろう」と話す。そこでは、この難題のアナアナ変換などが、どう検討されたのか。そのツケが、今回の見直し発表となったことは確かである。
 2001年度から変換作業も未だ着工できず、今年度の123億円は次年度に繰り越される。そうなると、地上デジタル開始のスケジュールはどうなるか。
・変換作業スタートが遅れた。
・対策局所数が倍に増えた。
・対策が必要な世帯も増えた。
・ケーブル対策世帯数が急増した。
などのもろもろの要因から判断できることは、「当然遅れる」ということだ。
 「総務省は面子をかけてスケジュールを進めるだろうから、2003年度中に電波を発信したいと迫ってくるだろう」(放送局関係者)

「再々延期」が一番怖い
別スキームの検討も必要か

 放送局幹部は「2004年でも見えない。2005年がやっとの状態ではないか」ときびしい見通しを語る。
 現在、アナアナ変換の見直し作業が行われているが、一番恐れられているのは「見直した新スケジュール」が再々延期になるということだ。そうなれば、一気に信頼をなくし、地上デジタル放送計画が暗礁に乗り上げる可能性が大きくなる。

(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい




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