本誌2001年7月号、9月号でリポートした兵庫県和田山町ケーブルテレビが、2001年11月1日開局。システムを手がけたのはケーブルテレビ専業メーカーとして高い実績を誇る愛知電子(株)。住民への正式なサ−ビス開始は2002年4月1日からだが、宅内工事が約3,500世帯まで進み、すでにVoIP等のサ−ビスが始まり、全面オープンを待つばかりとなっている(町内の世帯数は約5,500世帯)。
2001年12月8日には、同町の世界最大級規模のコミュニティ型VoIPシステムを体験する見学会とセミナーが開催された(本誌主催)。当日は土曜日にもかかわらず、東京や大阪から、また同じ兵庫県内の他町からはバスを仕立てての参加があり、VoIPへの関心の強さがうかがえた。同町のケーブルテレビ施設やVoIPシステム、見学会当日の様子などをフォトリポートでお伝えする。
なお、和田山町ケーブルテレビ施設整備事業やサ−ビスの詳細については、本誌2001年7月号、9月号を参照いただきたい。
(編集部) |
和田山町の人口は約17,470人で、世帯数は約5,500。ケーブルテレビの契約数は約4,200。同町は、町の規模の割にはアパートなどの集合住宅が多いそうだが、それら集合住宅と事業所を除いた世帯数での契約率は約90%となっている。
和田山町のVoIPシステムには、大きく4つの機能がある。まず一つが、無料の域内電話と有料による高速インターネットサ−ビス。専用モデムに電話機とパソコンをつなげば同時利用が可能となっている。VoIP用の電話機は、市販のものを使用できるが、今回は域内だけのサ−ビスのため公衆網との接続はできない。また、当初はVoIP専用の電話番号をつけるという案があったそうだが、そうするとNTTの加入者電話とは別の電話帳を作る必要があり、利用者にとっても提供する町にとっても不便で手間がかかるため、今回はNTTと同じ番号になっている。
インターネットの料金は、定額制で月額1,500円。契約者数は現在のところ約500。工事待ちの申し込み数が約100。伝送路はVoIPと共有しているため、インターネットの下りは256Kbpsに絞っている。5,500世帯のうち約20%がインターネットに加入し、さらにその中の約20%が同時使用するだろうという想定のもとでの設計。ADSL等に比べれば幾分速度は遅いが、住民には好評で、セミナー当日にも申し込みに来る住民の姿があった。
2つ目が、VODのリクエスト端末機能。VoIP用の電話機から必要な番号のボタンを押すと、コントロ−ルセンターから信号が送られ、番組が供給される。リクエスト用の通話も、域内電話と同様に無料となっている。
3つ目が、告知放送装置の遠隔放送機能。通常、有事の際は災害対策室から告知放送を行うが、何らかの理由で対策室にまで行き着けない場合は、VoIP用の電話機から専用の電話番号にかけ、パスワード等を入れることによってどこからでも告知放送ができるシステムになっている。
4つ目が役場内の電話設備との接続。和田山町役場の中にあるPBXとVoIP網とを接続し、住民は加入者電話、VoIPどちらから発信しても役場内では同一の着信が可能になっている。また、逆に同じ電話機から、加入者電話側とVoIP側を選んで発信することも可能。
職員体制は4名で、そのほかアナウンサー1名を近隣の人材派遣会社に委託している。また、行政チャンネルは職員が番組制作などを担当するが、コミュニティチャンネルについては小人数ではさすがに対応しきれず、外部委託をしている。
システム施工を担当した愛知電子(株)によれば、日本初、世界最大級規模となるVoIPの機器選定等は万全を期して行ったという。
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