<シリーズ・地方民放の地上デジタル“戦略方程式”(第3回−2)>
HAB(北陸朝日放送)
平均年齢34歳の若さでブロードバンドを模索

2002年4月号掲載(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい
 1991年に開局した北陸朝日放送は営業収益(2001年3月決算)が約35億円。苦しい台所の平成新局の一つだが、「社員の平均年齢34歳」という若さでブロードバンド時代へ立ち向かう。FTTH金沢トライアルなど、ブロードバンドによるコンテンツ配信への意欲的な取り組みに対して、全国の局はもちろん、通信、コンテンツ配信などの関係者から関心が集まる。
(文:吉井 勇=本誌編集長)


ブロードバンド実験への
取り組み経過

 HABが関係したブロードバンド、インターネット関連の実験プロジェクトを整理すると、以下のようになる。
・FTTH金沢トライアル(NTT、松下電器など)/2000年5月から1年間
・会員サイト「HAB〜ム倶楽部」開設/2000年10月〜
・NTTサイバーソリューション研究所「高速インターネット動画コンテンツ配信」/2000年11月〜
・ECサイト「金沢屋.com」開設/2001年4月〜
・「Media Warehouse」によるブロードバンドコンテンツ配信実験(NTT西日本)/2001年6月〜
 現在も、会社の公式サイトから「ブロードバンドコンテンツ配信サービス」を無料(会員登録は終了)で行っている。このサービスは、NTTスマートコネクト社が大阪に置いているサーバーから配信しているものだ。
 HABのインターネットサイトとしては、会社の公式サイトをはじめ、携帯電話サイト、会員サイト、ECサイトの4つをオープンさせているが、なんといっても注目は、ブロードバンドでのコンテンツ配信への挑戦だろう。

FTTH金沢トライアル
超高速配信の1年の経験

 HABをブロードバンドコンテンツ配信に近づけたのは、2000年5月にスタートしたFTTH金沢トライアルだった。これは光ファイバーネットワークを使い、最大10Mbpsの「ワイドLAN」で常時接続する実験で、NTTグループと松下グループが共同で取り組んだ。この場にHABはコンテンツ提供を行ったのである。
 そのあたりについて宇野文夫・HAB報道制作局報道制作部部長は、「NTT西日本から誘われたのですが、このときテレビがインターネット化するなと感じました。パソコンに続いてケータイがインターネット化してきたわけですが、これからの主戦場、テレビに来たなと強烈に思いました」と語る。パソコンは「テキスト・インターネット」であり、ブロードバンドで「動画インターネット」の時代を迎えたという。
 金沢トライアル1年間の成果として、「テレビ局の持つ動画番組をインターネット用に加工するには、手間とコストがかかること。音楽の著作権クリアで非常に苦労したこと。ともかくやってみないとわからないことが、実に多くあった」というのが、宇野部長の総括だ。
 技術スタッフとして支えた山岸千春・技術局技術主任は「動画、静止画、テキストをシンクロさせるオーサリングツールが使用上で問題があり苦労しました。この経験は、データの構成をどうするかという勉強になりました」と話す。また、今後始まるデータ放送に向けた一つのトライにもなったという。

会社員が持ち場で
ブロードバンド対応を練る

 宇野部長、山岸課長の両氏が強調したことは「社内にあるコンテンツの2次、3次利用でブロードバンド配信ができる」と考えがちだが、それほど簡単ではないということだ。前述の音関係の権利処理なども含めると、新しく制作したほうが相応しいと言い切る。
 また、パソコン画面で視聴する場合、10分という長さの番組を見るのはつらい。やはり5分程度で、画質レベルを考えた番組が必要だと結論づける。
 そうした経験からまとめたのが、現在のホームページで公開する「ブロードバンドコンテンツ配信サービス」だ。ジャンル分けして配信する番組は、広いテーマの『アラカルト』、『能登紀行』、健康や教養の『ライフ』、HABで開設しているECサイトと連動した『金沢屋』で構成され、総計で35番組を見ることができる。
 HABは社員50人という小規模で、平均年齢34歳と若い。もちろんパソコンへの抵抗感も少なく、ネットワーク体制もお手の物だ。そうした人的なスキルもあってか、ブロードバンド、インターネットへの対応に特別のセクションを設置して臨んではいない。


(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい

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