<NM WATCH>
学校教育の情報化「ミレニアム・プロジェクト」
ハード整備に地域格差

2002年5月号掲載(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい
 2000年度からスタートした「教育の情報化--ミレニアム・プロジェクト」。丸2年を経過し、3年目に突入する。そこで現状と今後の展開について、文部科学省の尾 春樹・学習情報政策課長にお聞きした。
(吉井 勇=本誌編集長)


平着実にスケジュール進む
新しい課題もゾクゾク

 尾崎春樹課長は全体の進捗状況について、開口一番「着実に進んでいますよ」と語った。その意味は「2年目となる2001年度末までに、すべての学校をインターネットに接続し、全教員がコンピュータを操作できるようにする」というスケジュール通りに進んでいる、ということだ。(「年次計画」は本誌2001年5月号18ページ掲載)
 とはいえ「課題として見直すと、まだ半数の教員がコンピュータを指導に使えるようになった段階であること。インターネット接続の面でも、全教室接続という目標からみると、まだ低い普及状況です」と話す。「全教室の接続には校内LANの整備が必要ですが、昨年3月時点で8.3%でした。まだまだやることは多いという状況です」と続けた。ドッグイヤーの進歩に対し、前向きに目標を見直す姿勢を十分に感じさせるコメントだ。
 また、ハード整備面で地域格差が出てきたと指摘する。「財政事情からか、都市部が意外に遅れています。2005年度までのプロジェクトですから、最後に駆け込み整備があるかもしれませんが、その間の遅れは大きいはずです」。発破をかける意味からか、文部科学省のサイトで、本年3月から、全市町村別の「情報教育実態調査結果」の公開を始めた。(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou 初等中等教育 2002/03/01)

学習資源デジタル化プロジェクト
3月末から公開

 学習情報政策課が取り組んできた「学習資源デジタル化・ネットワーク化推進事業」の17のコンソーシアム(表参照)は、3月末には成果を公開できるという。
 このプロジェクトは、ミレニアム・プロジェクトを推進する際、ハード整備に偏らず、先生のIT活用の指導力向上に役立てるため、コンテンツ制作のノウハウを蓄積・提供することをねらったものだ。この17コンソーシアムの成果は「報告書」としてまとめるとともに、CD-ROMでも提供するほか、教育情報ナショナルセンター(略称NICER)のWebサイト(http://www.nicer.go.jp)で、そのプロセスも含めて公開する予定である。
 また、2002年度に計画される「インターネット・フェスティバル」は、e-JAPAN構想の教育プロジェクトである「e-スクール」と合体させて、石川県で開催される生涯学習フェスティバルの一環として開かれる予定だという。

12学年9教科の単元ごとに
デジタル・コンテンツのノウハウ交流

 「先生方のやる気がプロジェクトの成否を握ります。それは、子どもに響く授業ができるか。そのために役立つコンテンツやノウハウなどの情報を、簡単に入手できるかどうかでしょう」と尾崎課長。そこにねらいを定める壮大なプロジェクトを、文部科学省は立ち上げるという。
 内容を簡単に紹介すると、12学年、9教科を細かく単元ごとに、先生方から実践で得たコンテンツ活用ノウハウをオンラインで提供し、意見交換できる環境をつくるというものだ。うまくいった実績だけでなく、留意する点や失敗の教訓などを交流するために、オープンなサイトを立ち上げ、これを基礎に教員研修にも役立てようというのだ。3,000事例の蓄積を目指すというが、まさに先生同士の経験交流。「これまで研究指定校方式などでやってきましたが、その経験が必ずしもうまく伝わらない場合がありました。それをWebサイトで交流しようという発想です」と尾崎課長。今年の夏までに、プロジェクトを担当するコンソーシアムを決定し、動き出す。
 2002年度から、小学校、中学校の学習指導要領が新しくなる。高校は2003年度から。そのなかで、情報とコンピュータの学習は、小学校では各教科や総合的な学習の時間で、中学では技術・家庭「情報とコンピュータ」を必修に、高校では情報科が新設・必修になる。先生たちもWebから、全国のノウハウ、経験、そしてコンテンツを手に入れる、そんな時代が確実に見えてきた。

(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい

バックナンバー目次 単品注文 定期購読申込

トップページへ (c) New Media, Inc. All rights reserved. New Media logo