オプティムは学生ベンチャーの企業である。社長である菅谷俊二氏は、2000年の「第1回ビジネスジャパンオープン」で特別賞(孫正義賞)を受賞したという現役の佐賀大学農学部の学生だ。彼と中学時代、高校時代の友人が加わった3人の若者が、地元佐賀の応援を得て立ち上げたもので、志は高い。「ブロードバンド時代にポジションを得る」。
(文:吉井 勇=本誌編集長)
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発想の原点は
「不評の待ち時間こそ」
菅谷俊二・オプティム代表取締役社長は、第1回のビジネスジャパンオープン特別賞を「ダウンロードの時間に動画広告を流す」ビジネスモデルで受賞した。ストリーミングサービスでは、ダウンロードやバッファリングに時間がかかり、その待ち時間に不満が募る。ここに着目したのである。
「テレビは受身的なメディアです。ですから広告も、飽きさせないためにあの手この手で訴えないといけません。一方、インターネットは能動的なメディアだと言われますが、ストリーミング配信の場合、ダウンロードやバッファリングの時間が不評でした。ただ待っているだけですから」と話す。つまり「待っているだけの手持ち無沙汰だから、必ず見てもらえる」と、発想を逆転したところから始まった。
「i7 ADプラットフォーム」提案
7つのプラットフォームを計画
オプティムはユビキタス・ネットワークに動画広告を配信するという次世代のビジネスを、「i7 ADプラットフォーム」として提案している。
このねらいについて菅谷社長は「広告媒体といえば、テレビやラジオ、新聞、雑誌の四マス媒体が主流でしたが、ブロードバンド時代には、いつでも・どこでものユビキタス・ネットワークになります。ここを見据え、あらゆるメディアに対応した広告配信にニーズがあると考えました」と語る。「i7」というだけあって、具体的には7つのプラットフォームから成る構想を持っている。
すでに提供しているのは、ダウンロード待ち時間に広告を配信する「i7 Emotion Transporter(i7ET)」と、ストリーミング配信のバッファリング中や再生時、再生後など任意に広告配信できる「i7 Streaming Spot(i7SS)」の2種だ。今後ケータイやゲーム機など、ユビキタス時代を担うメディアに対応したプラットフォームを開発中だという。
認知度アップから顧客情報の分析
高価値を生む新しい媒体化
具体的には、i7ETかi7SSを採用したことで生まれた広告枠を、オプティムがパートナーとして販売を代行。視聴の実数に応じて料金を支払うというもので、メディアレップとして他のメディアレップとの協力関係のもとでサポートする。それにあわせ、一定期間でのストリーミング配信回数を保証、もしくは期間を保証する形で、媒体料を設定している。
当然、動画広告の閲覧数やアクセス動静、再生時間やキャンセルタイミング、バッファリング回数、ユーザー属性など、こうしたプロフィールを詳細にレポートできることはいうまでもない。
i7 ADプラットフォームは、これまでの広告とどこが違うのか。この点が勝負の分かれ目だろう。
「待ち時間ゆえ視聴者に受けいれられる強制的広告露出、動画によるエンタテインメント性の高い広告の訴求と、ユーザープロファイリング、ユーザーアクティビティによるOne to Oneを実現した訴求、インタラクティブ、学習促進機能で商品認知率のアップ、アンケート機能を生かして顧客情報の収集や調査など、高価値を生む広告媒体に飛躍させるということです。次世代を担う、パーフェクトな広告媒体です」と、菅谷社長は力説する。
RKB毎日のニュース番組配信枠で
国内初の広告配信実験
オプティムではビジネスを積極的に展開するため、動画広告の配信パートナーとしてNTTコミュニケーションズ、Jストリームと提携するなど、多くの配信事業者と連携し、この動画広告市場の拡大を目指していくという。
いまオプティムの進めるプロジェクトの中で注目されているのは、福岡エリアの民放局RKB毎日放送との配信実験だ。ニュース番組配信枠で開始した広告配信実験は、国内初になる。2月12日から、i7SSを利用し、RKBサイト内の「RKB News i(www.rkb.ne.jp/newsi_local/)」で行っている。
佐賀大の学生ベンチャー、そういえば日本のベンチャーの旗手、孫正義氏も佐賀出身だ。CM界の「孫」になるか。
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