<動き出すBB-CM>解説 BB-CM各社の事業展望
CMナビ・プロジェクト(三菱商事(株)+(株)ビクターネットワークス)
時間軸編成ができる「テレビ型」配信
コンテンツの直前にCM配信

2002年7月号掲載(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい
 「CMナビ」−−情報があふれる大海の中で、確実にCMをターゲットへ送り届ける。それを象徴しようという名称だろうか。このCMナビは、三菱商事と、ビクターネットワークス(前ベネフィットオンライン)の両社による共同プロジェクトだ。そこで、三菱商事の福元邦雄・eコマースユニットmコマース&ストリーミングフィールド・ストリーミングプロジェクトマネージャーと、ビクターネットワークスの峯松万尚・代表取締役社長、広田智之・企画部長に、ねらいとビジネスプランを聞いた。
(文:吉井 勇=本誌編集長)


2001年3月のサッカー日仏戦
有料配信実験を実施

 CMナビ・プロジェクトが生まれたきっかけは、2000年7月頃に当時ベネフィットオンライン(現ビクターネットワークス)がコンテンツやCM素材を動画配信できる技術を開発したことで、その事業化を検討するワーキングに、福元邦雄・三菱商事ストリーミングプロジェクトマネージャーが参加したことにあった。
 そして、早い時期に有料配信の実験を行っている。2001年3月に行われたサッカーの日本代表とフランス代表戦だという。試合はフランスに5対0と大敗したが、このゲームの進行に合わせて、本格的な挑戦を行ったのである。56kと300kの2つのバンドでライブ・ストリーム配信し、約1万件のアクセスがあったという。この動画と課金システムを当時のベネフィットが担当したのである。しかもハーフタイムには、動画CM(提供:ソニーミュージックエンタテインメント)を流したという。
 こうした手応えをもとに2001年5月、動画広告配信支援を事業とする「CMナビ・プロジェクト」を発表した。
 三菱商事としては、「1999年ぐらいからネット広告市場の陰りがささやかれ始める中で、サイト運営者にプラスになる動画CMの市場づくり」というねらいを持っていた。一方のビクターネットワークスは「独自開発した配信のランダム制御技術をもとに、テレビ型のコンテンツ配信、CMサービスを提供する」事業を目指したのである。

番組とCMを時間軸で流す
「テレビ型」を目指す

 CMナビ・プロジェクトは、さかんに「テレビ型」を強調する。この言葉に、技術と事業の特徴が象徴されている。
 「テレビ型というのは、時間軸で流れる番組編成ができるということです。弊社の技術は、時間軸で設定されたプログラムによって、異なったファイルを連続してストリーミング配信できるものです」と広田智之・ビクターネットワークス企画部長は話す。テレビと同じように、番組編成ができるというものだ。その技術力は、エイベックスの「avexnet.TV」の立ち上げから2001年12月まで運用をサポートしたことからもわかる。
 CMナビは、サイトが運営する動画コンテンツ配信用のサーバーと連動して、コンテンツが立ち上がる直前にCMをストリーミングする仕組みを提供するものだ。もちろん、CMの尺長は自在であり、配信するCM素材もランダムに変更することもできる。

収益分配型で
立ち上げを支援するモデル

 CMナビのメリットを整理しておこう。
 まず広告主には、(1)既存のテレビCMの素材を活用できる。ただしネット配信の権利処理が終わっていることが必要、(2)広告が動画コンテンツの冒頭に入るので、注目度が高い、(3)CMナビ採用のサイトへ配信する場合、各サイトへCM素材を入稿する必要はなく一括納入ができる、という3点がある。
 サイト運営者は、(1)広告収入の多様化、(2)「収益配分型」コスト分配で柔軟なコスト設定ができる、(3)CM素材サーバーが番組配信サーバーとは独立しているので、CM素材差し替えの際にサイト運営のサーバー負担が少ない、などである。
 具体的にCMナビが提供するサービスは、(1)CMナビ機能の提供、(2)CM素材のエンコード(オプション)、(3)CM素材のサーバー格納、(4)動画コンテンツのリンク設定、(5)ログ管理とレポート提出などである。
 CMナビとして、この広告収入型コンテンツ配信事業を検証するため、現在大手ポータルサイト11社と動画CM付きのコンテンツ配信実験を行い、本格展開に備えている。この実験で、効果測定や視聴者の反応、認知度などをまとめていくという。
 「サイト運営者からはCM付きのコンテンツを持ってきてほしいという声が強い。ですから、CMとセットにしたコンテンツ提供を紹介する営業活動を展開していきます」と福元マネージャー。この営業活動を「仕入れ」と呼ぶそうだ。
 峯松万尚・ビクターネットワークス社長は「急速にADSL世帯が増えている現状は、投資段階として事業環境を整えているところ」と、儲け心を抑える。市場シェアについて質問したら、「2年後に10億円、市場の10%」と福元マネージャーが即答した。


(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい

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