<動き出すBB-CM>解説 BB-CM各社の事業展望
(株)パサタ
視聴者・コンテンツホルダ・広告主
3者の条件をマッチさせた動画広告事業の提案


2002年7月号掲載(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい
 パサタは、ソニーグループの広告代理店であるフロンテッジが100%出資する、いわば孫会社である。パサタ社は、「PaSaTa」という事業プランを提案する。このPaSaTaとは、Personalized adver-tisement、Sure advertisement、Targeted advertisementというコンセプトから名付けられたものだ。パサタのビジネスターゲットは何か。このプロジェクトを立ち上げた中川進・代表取締役社長を訪ねた。
(文:吉井 勇=本誌編集長)


2000年頃「インターネット研究所」で
産声を上げた

 中川進社長は、取り組みの始まりを次のように話す。「ソニーのインターネット研究所でインターネットのビジネスを考えていたとき、インターネット放送局を提案したら、そのビジネスモデルを考えろということになりました。でも、どう考えても事業として成立しないわけです」という難題に、「民放事業のように広告をベースにできないかと発想し、そのビジネスモデルを考えたわけです」。
 テレビで見慣れた動画広告を「インターネットが得意とする個人向けにカスタマイズする」ことをねらって、ビジネスモデルの企画づくりと技術の開発に取り組んだという。
 中川社長は「PaSaTa(パサタ)は技術プラットフォームではなく、ビジネスモデルのプラットフォーム」と、インタビュー中に何度か強調した。

PaSaTaの魅力は広告から
各社サイトへリンクできる多層展開

 広告メディアとして、地上波テレビ放送は完成されたメディアである。広告効果の測定も、視聴率をもとにした「GRP(延べ視聴率)」など、それなりに客観データ化されている。
 では、インターネットの広告はどうなのか。ホームページではバナー広告が展開されているが、注目率はコンマ以下のパーセントという数字。では、動画広告ならどうか。すでにプレサービスを始めているPaSaTaの調査では、「実に4〜5%という数字、やはり動画の魅力でしょうか」と中川社長は動画広告の訴求力を話す。プレサービス期間ということを差し引いても、それなりの数字を示している。
 では、テレビ広告との決定的な違いはどうか。「ストリーミングのコンテンツ配信では、自分が見たいと選んでおり、そこに出る広告ですから、視聴者の趣味や嗜好、関心などに非常にマッチしています」。
 中川社長は、動画広告に接触した後のアクションを強調する。その商品のホームページへリンクさせることができ、より深いアピールはもとより、Eコマース展開までを連続して仕組むことができる。「ここがテレビにはないPaSaTaの特徴です」と力説する。まさに、広告の多層展開、バリューチェーンというわけだ。

視聴者、コンテンツホルダ
広告主の三者にあるメリット

 ストリーミング配信する映像コンテンツを楽しむ、その中に動画広告を配信するPaSaTaは、具体的にどんなメリットを与えるのか。
 まず、視聴者はPaSaTaのサイトで、性別や誕生日、居住エリアなどの属性情報や趣味、嗜好を事前登録する。それだけで本人が選んだコンテンツや、興味・関心などにマッチした広告が挿入され、無料で視聴ができ、広告も含めて高い満足度が得られるものになる。
 コンテンツホルダにとっての悩み--有料課金では視聴者が少ないし、無料では事業にならないといった問題が、挿入のポイントを指定するだけでターゲットとする視聴者に送信でき、視聴実績にもとづいた料金がPaSaTaから得られることで解決する。それとあわせ、配信レポートによって視聴者の動向を正確に把握することができる。
 広告主はどんなメリットがあるのか。送り届けたいと考える視聴層を登録するだけで、ターゲット層に広告を露出できることだ。広告料金は露出数に対する課金制で、一切の無駄がない。また、自社サイトへのリンクを仕組むことで、より相乗効果が期待できる。
 三者のメリットとともに、中川社長は「テレビCMでは表現も含めて規制がありますが、ストリーミングでは自由な表現が可能です。企業間のコラボレーションや長尺のCM、複数商品アピールなどもできます。また、リンクするホームページの表現もレベルアップしていくでしょう」と、新しい広告制作についても期待できると話す。
 これから急速に飛躍するストリーミング事業。そこにPaSaTaがどういった位置を占めるのか、大いに楽しみだ。



(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい

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