昨年、前日になって中止された「会長とアメリカ専門メディア記者懇談会」。今回は4月10日午前11時から1時間、10人ほどで行われた。一昨年に続き、今回の懇談会に日本から唯1社、出席の機会を得た。
(編集部) |
参加者は減ったが
「ちょうどよい規模だ」
まずフリッツ会長が話し出したのは、「大会は成功している」ということだった。参加者が昨年の11万3,000人から9万5,000人と16%減となったが、「展示にも力があり、参加者も十分話しができると好評だ」と力説した。ITバブルを謳歌した企業が減ったこともあるが、やはり9・11の影響があることは確かであろう。
オープニングセッションでフリッツ会長は「9・11直後、約6,000万人のアメリカ国民が地上波放送にくぎ付けとなった。会長として誇らしい気持ちになった」と話し、放送の公共的な役割を強調した。
そして、このテーマの最後では「2003年のNAB大会に期待。回復の兆しが見える」と述べ、次回からラスベガスコンベンションセンター、ヒルトンホテルを中心にし、サンズは会場としないことを話した。「理想の大会規模は10万人」とまとめた。
パウエル提案は歓迎だが
「ひも」がついているかも……
遅れが目立つDTVの動きを促進する4月4日のパウエル5提案について「歓迎する。ほかの業界にも一緒になって進めるよう呼びかける」と語りながらも、「ワシントンのいうことには必ず『ひも』が付いている」と老獪なコメントも忘れなかった。議会に上程されている法案との駆け引きもあり、さすが会長歴20年である。
DTV普及のスピードアップには、「番組が要」と強調し、「オリンピックをはじめ、NBA、スーパーボウルなどのスポーツがHDには最適だ」と話す。昨年、日本の民放連50周年イベントに参加してBSデジタルの普及策を学んだ成果からだろうか。
もう一つ、地方の中小局のデジタルコスト負担問題については、その問題で立ち止まるわけにはいかないと述べ、FCCにも進言、提言をしているそうだ。
最大の課題となるケーブル局の動きであるが、パウエル提案の履行を目指して、NCTAとの話し合いに「すでに入っている」と述べた。「NABとしては全体の動きを見るしかない。そして政府の動きを見ることが大事だ」と強調した。この話の中で「地上放送業界は金にはならないが、ケーブル業界は儲かる」と、本音のコメントもチラリ。
3大ネットワークは
NABに戻るか
昨年の記者懇が急遽中止になったのは、直前のネットワーク離脱問題があったからだと考えられる。彼の手腕を持ってしても抑えきれなかった35%所有問題。ローカル放送局中心のNABにとって、深刻な矛盾でもあるわけだから。
「3大ネットワークと協力して政府がらみで進めていきたい。95%は問題ないと考えているが、残りの5%をどう片付けるかだ」と述べ、引き続き対話していくと述べるにとどまった。
BSデジタル普及策を
大いに参考にしたい
日本との関係では、「今回も日本から多くの参加があり、感謝している。大会を支える有力なパートナーだ」と話し、昨年の民放連大会で訪問した際、「天皇陛下に拝謁する機会を得て、非常に名誉なこと」と感想を述べた。
この訪問では、日本でのBSデジタル放送の普及策を詳しく聞くことができ、DTVでも参考にしたいという。
最後に、「NAB大会の開催を世界的に考えていきたい。できれば統一されたECと、日本での開催を実現したい」と、61歳を過ぎても若々しい挑戦意欲は衰えをみせない。
|
|