<編集長がズバリ問う BBストリーミングのターゲット(第8回)>
読売テレビ
24時間ライブ配信 「ライブよりオンデマンド配信が相応しい」

2002年9月号掲載(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい
 動画が送れることで、テレビとブロードバンド配信はどこが違うのかという議論が多い。そうした問いに対する回答になるような「24時間ライブ配信」実験を、関西の読売テレビとAIIが共同でゴールデンウイーク中に行った。「YTV BroadBand 春の24時間ライブ配信〜ブロードバンドで、見るしかないデー。〜」。このライブ実験を担当した松山浩士・編成局メディア推進部部次長職に、その結果から見えてきた視聴者の特性、事業化の着眼点などを聞いた。
(吉井 勇=本誌編集長))


3回にわたって
24時間のライブ配信実験

 「関西発」というエンタテイメントビジネスは、これまで衛星放送などで模索されてきた。そして「やっぱり吉本、宝塚、阪神やなあ」ということで終ってきた。そうしたことへの新たな挑戦というわけではないが、読売テレビ(YTV)がゴールデンウイーク中に、地上波メディアの番組制作ノウハウとインターネットのコンテンツ配信技術を合体させる取り組みを行った。第1回が4月27日(土)〜28日(日)、第2回が5月4日(土)〜5日(日)、第3回が5月11日(土)〜12日(日)の3回である。
 コンテンツ配信技術をAIIが提供し、「ブロードバンドと地上波のメディア・コラボレーションを目指した」と、松山浩士・編成局メディア推進部部次長職はねらいを話す。
 24時間ライブ配信は、テレビの「編成」を行っている。時間に合わせて「番組」を送るわけで、視聴者がネットワークで自由にアクセスして見るものではない。ここがライブ配信の特徴で、編成という強制的な流れがどう受け入れられるのか。
 夜20時から始まり、翌日の20時までの配信という構成。配信番組は、30分から1時間を基本に、最長6時間のものまである。関西初の本格WEBドラマ『Cine-Stream SP』やYTVサイトで有料コンテンツである『稲川淳二の恐〜い話傑作選』を無料で流したり、邦画3本(88分もの、87分もの、23分もの)やトーク番組、演劇などが配信された。

ナローとブロードの2種配信
視聴時間に30分のカベ?

 配信のスピードは、YTVがナローバンド配信(56Kbps)、AIIが全国のケーブル局や一般インターネット向けにブロードバンド配信(256Kbps)、その他にB-BATがNTT東日本Bフレッツ利用世帯に、西宮地区の光ファイバーのモニター世帯へはケイオプティコムを通してブロードバンド配信したものである。
 総ストリーム数は、3回の計で約1万になったという。
 気になる視聴時間であるが、松山次長職は「ブロードバンドとはいえ256Kbpsですから、画面サイズは320×240。このサイズで映し出されるパソコン画面を見つめるわけで、視聴時間の分布の中では一番多かったのが『30分〜1時間』でした。画面との距離が50cmぐらいですから、疲れるわけですね」と話す。
 今回の実験結果について、いくつか特徴的な点を整理してくれた。
(1)アクセスの多いゴールデンタイムは、夜の20時〜25時の時間帯。26時以降から日曜日午前にかけてのアクセスは少ない。
(2)ストリーム数の時間推移は、テレビの時間帯別総世帯視聴率の動きと近似している。
(3) ケーブルテレビでのブロードバンド接続では、関西地区からのアクセスが多かった模様。
(4)事前プロモーションでは、メールマガジンや活字媒体が有効であった。

「オンデマンドのダウンロード」
これが視聴に最適か

 この経験からYTVでは、ブロードバンドのコンテンツ配信に次の仮説を持ったという。
・ 基本的にはライブ配信よりもオンデマンド配信
・ 特に、1時間以上の長尺のコンテンツは、オンデマンド・ダウンロード型サービスが最適
 その検証も含めて、6月末に、YTV製作の映画『パコダテ人』(70数分)のインターネット試写会として日時を決め、配信500Kbpsで100人限定で行った。
 今後は、新しいダウンロード型サービス「GET MEDIA」((株)シュタルク)やPDA向けダウンロードサービス「foobio」(NTTソルマーレ&デジキューブ)によるコンテンツ配信の実験に参加するという。これで視聴者は、どういった視聴行動をとるのかを、より詳細に検証しようというわけだ。
 「まだまだ仮説の段階。これだという回答をつかんだわけではありません。すべてオンデマンドなのかといえば、コンサート中継やスポーツ中継などはやはりライブストリーミングが相応しいでしょうし、その一方で5分や10分ものの短い番組は、オンデマンド向きだと思います」
 では、双方向性をどう発揮するのか。「マスメディアとして40数年の経験はありますが、インターネットの1対1、双方向にどう応えるか。システム的にも、ノウハウ面でも双方向の体制はありません。しかし、それだけでは前に進みません。今夏ぐらいに、こうした双方向を使った実験企画を考えたい」という。次のプランが、もう用意されていることは確かなようだ。

(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい




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