<編集長がズバリ問う BBストリーミングのターゲット(第9回)>
(株)トレソーラ
3局のテレビ番組を500Kbps配信する「Chance!@トレソーラ」


2002年10月号掲載(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい

 とうとう動き出した。今か今かと待たれていた民放テレビ局のブロードバンド・コンテンツ配信サービスである。TBS、フジ、テレ朝の3局が持つ番組をはじめとする映像コンテンツの配信マネージメント事業をねらって、2002年1月に設立された(株)トレソーラ。このトレソーラが、9月1日から3カ月期間限定のネット配信イベントを展開する。スタート前から、放送業界はもちろん、通信業界などからも熱く強い関心が集まる。


コンセプトは「ニッチ&リッチ」
80年代〜90年代の話題番組ズラリ

 テレビの番組−−いろんな思い出を持つ人がいる。また、「もう一度見たい」という気持ちも生まれることが多い。そんな要望にズバリ応えるブロードバンド・ネット配信が、9月1日から3カ月限定で始まる。イベント名称は「TBS/フジ/テレ朝の期間限定! ネット配信チャンネル『Chance!@トレソーラ』」。TBS、フジ、テレビ朝日の3局とNTTグループなどが設立した事業企画会社の(株)トレソーラが挑む。
 月替わりで配信される番組は、1980年代から90年代に3局で放送されたものがズラリと並ぶ。コンセプトは「ニッチ&リッチ」。
 すでに発表されたラインアップを見ると、TBSの『高校教師』、フジテレビ『夜のヒットスタジオ』、テレビ朝日『世界の車窓から』といった話題作や、ドキュメントを厳選したTBS『報道ドキュメント名作選』や、深夜ドラマで異例のブームとなったフジテレビの『NIGHT HEAD』、海の映像美を追求したテレビ朝日『海の博物館〜ニュースステーションより〜』が並ぶ。さらには、『どうぶつ奇想天外傑作選』(TBS)や『STRAY SHEEP ポーの大冒険』(フジ)、『ワールドプロレスリング TOP OF G1 CLIMAX』(テレ朝)なども配信されるという。こうした垂涎ものの番組コンテンツを中心に、毎月50〜60本が用意されている。
 まさに、「テレビ番組をブロードバンドで配信したら−−」という期待に具体的な回答を示してくれるチャレンジではないか。

「見放題、月額1,000円」
500Kbpsストリーミング配信

 今回のネット配信チャンネルでは、サービスプロバイダーとして4社(OCN、ドリームネット、So-net、AII)により、ADSLなどの500Kbpsでストリーミング配信される。このサイズなら、パソコン画面上で約9インチ程度の大きさで見られるものになる。
 トレソーラの関係者は「1Mbpsも考えましたが、現在のブロードバンド環境では受信できる世帯は少ない。パソコンの前で個人的に番組を楽しんでいただくという視聴イメージでしょうか」と話す。
 月額料金は「見放題、1,000円」。ベーシック料金としての『1,000円』をどう読むかである。関係者によると「1,500円という案もありましたし、500円が値ごろではという考えもありました。客観的な根拠があったわけではありません」という。サービスプロバイダー4社のリーチは総計で約100万人であり、その1%を獲得したいということから決定した料金ということだろうか。外部からは「少し高いのでは−−」という心配する声もあると聞く。

CM間の約10分「1エピソード」を
オンデマンド配信

 具体的な番組配信は、1つのドラマ分を3カ月で配信する。例えば12話とすると、1カ月の間に4話を楽しむことができる。そして、CMとCMの間を「1エピソード」と名付けてオンデマンド配信するもので、1エピソードを単位にリクエストで楽しむことができる。
 この点について「パソコン画面で視聴するわけですから、最長でも10数分が限度ではないでしょうか。ちょうどCM間の1エピソードが手ごろなサイズではないかとなりました。これは結果論ですが」と関係者は話す。
 視聴料の支払いは、各サービスプロバイダーが実施している決済機能により、クレジットを利用する。
 こうしたコンテンツ配信で課題とされる著作権の処理と管理のシステムがある。権利処理はちょうどCSデジタル放送で行った処理のベースを使うなどで進行し、権利管理のデジタル・ライツ・マネージメント(DRM)はWMTを使い、実際上どこまで信頼できるのかを確認することになっている。

パソコンでリッチコンテンツ視聴?
回答は3カ月後に出る

 今回のネット配信実験を通して、予想外のトラブルや、ハッカーの侵入などに対するそれぞれの責任分界を互いに理解した上で確認することも欠かせない。
 やはり最大の挑戦は、「テレビ番組のようなリッチコンテンツは、果たしてパソコンで視聴してもらえるのか」といった事業プランへの回答が得られることだろう。約50年を経たテレビ放送の安定性に対し、ブロードバンド・コンテンツ配信はどういった位置付けを得ることができるのか。
 テレビ局が具体的に動き出す。まさに「Chanceはそこにある!」。すでに感度のいい地方局から問い合わせが続いているそうだ。その軌道が、事業会社設立に結びつくかどうかも含めた3カ月後のメッセージが待ち遠しい。




(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい

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