<NM WATCH>
おもしろくなってきたプロジェクター業界、
きっかけはホームシアター


2002年11月号掲載(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい
 プロジェクター業界をおもしろくしたのは何といっても、エプソンが発表(8月29日)した「ELP-30」。マルチパーパス・エンタテインメントと銘打ち、実売価格15万円の民生用プロジェクターである。この時期、プロジェクター新製品の発表が相次ぐ中で、工夫を凝らし頑張っているホームシアター用プロジェクター。今回はシャープと三洋の2機種を紹介する。
(文:古山千恵子=月刊ニューメディア編集部)


時期尚早!?
AVワイヤレス受信機能内蔵「XV-Z90S」

 エプソンとほぼ同時期にシャープ(株)が発表したシアター用プロジェクター「XV-Z90S」は、世界で初めて「AVワイヤレス受信機能」を内蔵している。ワイヤレス送信ユニット(付属)をDVDプレーヤーなどに接続し、映像や音声をデジタル信号として無線電波で発信、これをプロジェクターが受信し投写するという仕組みである。これで無様な映像ケーブルが床や天井、壁を這うことがなくなる上、家中どこへでも持ち運んでホームシアターを楽しむことができる。
 と思ったら、こんな意見を聞いた。「現在の無線規格IEEE802.11bではハイビジョンは送れないし、無線に高額なお金を出すユーザーは少ない。それに、家庭内ではプロジェクターをあまり持ち歩かないらしい」。ホームシアター機に無線を搭載するのは時期尚早らしい。もっとも画質の良し悪しには関係ないが。

社内横断プロジェクトが生んだ「LP-Z1」
ユーザーニーズを最大限に生かす

 9月に入ると、三洋電機(株)が「一家に一台」をスローガンに、ホームユース液晶プロジェクター「LP-Z1」を発表した。三洋は開発、映像、通信、記録、オーディオ、部品の6部門横断化プロジェクトを結成、入念なマーケティングリサーチをし、第2号商品としてLP-Z1を生んだ。
 ホーム用プロジェクター購入のポイントとなる、「価格」は実売価格20万に納め、「画質」はBSデジタルハイビジョン放送を変換せずに映せる高画質16:9ワイド液晶パネルを採用、「デザイン」は調査結果をもとに、多くのデザイン画から絞り込まれたものに。
 おもしろいのは、面倒な設置を何とかしてほしいという意見に応え、レンズの横に上下・左右のレンズシフトダイヤルを付けたこと。プロジェクター本体を横に動かしたらレンズシフトダイヤルを手でくるくる回し、レンズを移動させる。左右なら2/5画面分、100型のスクリーンなら88cm移動できるうえ、光学式なので画質の劣化がない。思わず回したくなる。発表会でも受けていた。さらに、リモコンのボタンは自照式。小さな気遣いがうれしい。ホームユースでは大事なことである。
 「2003年の出荷目標はワールドワイドで5万台、シェア20%獲得にチャレンジする」と前田健・三洋電機(株)マルチメディアカンパニー映像メディア事業部事業部長は断言。
今回の前田事業部長からも出たが、「ホーム用プロジェクターはテレビの置き替えではない」と、各社トップ陣は明確なコンセプトを打ち出している。いよいよホームシアター市場戦勃発か。そんな意気込みを感じる今秋、前出3社以外のプロジェクターメーカーの隠し玉が楽しみである。



(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい

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