<総力特集 地上デジタル放送カウントダウン'03年問題>
地上デジタル音声放送(デジタルラジオ)

2002年12月号掲載(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい
忘れてはいませんか
デジタルラジオ。
2003年から東・阪で実用化試験放送を開始

 地上デジタル音声放送-デジタルラジオ。業界の関係者に聞いても、あまり知られていない。計画では、VHF帯の7チャンネルで、東京と大阪で2003年夏以降には実用化試験放送を開始することになっており、その主体となる(社)デジタルラジオ推進協会(DRP)が昨年10月に設立されている。
(吉井 勇=月刊ニューメディア編集長)


現行のアナログ放送は継続
デジタルラジオは新規参入

 デジタルラジオ推進協会の保坂広文・普及広報部長はデジタルラジオの特徴を次のように話す。
 「CD並みの高音質で、しかも多機能なサービスができます。高速走行する車の中でもいい音で聞けます。デジタル化のスケジュールは、テレビ放送ではアナログ波を停波しますが、ラジオの場合、AM放送、FM放送のアナログ放送はそのまま継続され、デジタルラジオは新しく始まるサービスというわけです」
 このAM、FM放送がそのまま継続されるということが、デジタルラジオがあまり知られていない大きな要因だろう。ともかく、昨年10月に設立されたデジタルラジオ推進協会には、AM局、FM局はもちろん、テレビ局や商社、メーカーなど34社が参加している。

東京・大阪で8セグメントの帯域

 デジタルラジオは、東京と大阪の2エリアで実用化試験放送としてスタートする。テレビのVHF帯を利用するため、デジタルテレビ放送の移行が終わらない限り、全国的に電波が使えないという事情があるからだ。ところで、なぜ名古屋エリアがないのか。デジタルラジオが予定するVHF「7チャンネル」は、すでに東海テレビが使用していることもあって、今回の実用化試験放送には参加しなかったというわけだ。
 デジタルラジオの帯域として8セグメントが用意され、東京エリアでは1セグあたり100Wの出力。大阪エリアも同じ8セグメントであるが、出力が各30Wとなっている。セグメントの割り当て状況は[図表10]の通り。

3セグと1セグの2つの放送が動く

 「3セグ」の放送をねらうグループがある。推進者の一人であるFM東京の園城博康・常務取締役は、その考えを次のように語る。
 「そもそも地上放送のデジタル化を検討する最初の懇談会メンバーに、ラジオ局は入っていなかった。事さように軽視されていたわけですよ」と少々怒りながら、「一番大事なことは帯域幅を平等にすることだ」と力説する。テレビで使う6MHzの帯域は、AMの600倍、FMの30倍であり、「アナログ時代の帯域幅をそのまま横滑りさせるのは問題」というのが、園城常務の指摘するところだ。描くサービスは「デジタルテレビよりも早くスタートし、認知度を高め、PDAやケータイ、パソコンに3セグの帯域で簡易動画も含めた多様なサービスを送り届けたい」というもので、「マルチメディア移動体放送」と意気込む。
 一方、音声を基本に、付加サービスを考えるという慎重な取り組みはNHK。1セグの放送で「高音質」「マルチチャンネル」「データ放送」を構成するという方針だ。「ラジオが持つパーソナルな存在感を高めたい」と語るのは、飯田昌雄・総合企画室担当部長だ。
 しかし現在、サービスの具体像となると、どちらも「これから」というところ。

普及のカギを握る受信機づくり

 やはり課題は、受信機の普及ということになる。DRPでも受信機のイメージを検討したという。カードタイプ、ポケッタブルタイプ、PDAタイプ、ケータイ電話タイプ(内蔵かアタッチメント)、パームトップタイプ(卓上・コンパクト)、コンポタイプ、カーステレオ・タイプの7種が考えられたが、まだメーカーからの動きはないようだ。
 その一方、3セグを推進するFM東京は富士通と専用チップを共同開発し、今夏に宮城・仙台近郊で走行受信の実験を成功させている。
 デジタルラジオは目立たないが、独自のサービスづくりを目指して動き始めている。いわば2011年までの試験放送期間を使ったサービス事業のトライができるわけで、2011年以降のビジネスモデルを模索するメディアとしても注目したい。





(※記事の抜粋。全文は本誌をお読み下さい


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