電障対策収入が激減? 伝送方式の判断迫られる
ケーブルテレビ局は地上デジタル放送の開始で、主に3つの課題に直面する。
まず、地上デジタルでは電波の反射障害が改善されるため、都市部での電波障害エリアは減少するといわれる。高層ビル所有者など電波障害(電障)原因者からの「再送信委託収入」の依存度が高いケーブルテレビ局は、アナログ停波後、減収の危機に陥ることが十分予想される。
また、地上デジタルが開始される前から存在していた建築物に原因者責任を問えるかが、議論になっている。これまでの場合、原因者が電障予測を行い、ケーブルテレビ局に再送信を委託してきたのは、1954年の「建設省次官通達」(当時)に基づくもので、原因者に法的な義務が課せられているわけではない。
今後、地上デジタルにおける原因者への対応については、全国地上デジタル放送推進協議会などでガイドラインの検討が行われる見通しだ。
2つ目は、ケーブルテレビ加入者と、電障エリアで再送信を受けるだけの非加入者に対する地上デジタルの再送信方法の問題である。主に次の3パターンがあり、各ケーブルテレビ局は自社の設備状況などでどう選択するかが迫られる。
第1の方法は、「加入者はトランスモジュレーション(TM)方式、非加入者はパススルー方式」。この問題は、450MHz以下の局でパススルー送信するには、470〜590MHzの地上デジタルを変・復調するため、コンバータの導入が必要になること。また、チャンネル数との関係でCS放送の一部を中止して帯域確保するところも出てきそうだ。
第2の方法は、「加入者はTM、非加入者には送信しない」。第1の方法での問題は生じないが、再送信委託料収入は入らない。
第3の方法は、「加入者も非加入者もパススルー」。高額なTM対応ヘッドエンド設備の投資は不要だが、第1の方法と同じ問題が起こる。さらに、加入者側でデジタルチューナーを購入する必要があるため加入促進に生かせない。
3つ目は、東京からの放送を山梨県で送信するといった区域外再送信を売り物にするケーブルテレビ局も多いが、地上デジタルではこれまでの受信ポイントが変化する可能性がある。
(渡辺 元=月刊ニューメディア編集部)
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