一昨年、2000年の年明けはミレニアム騒ぎだったが、昨年の2001年は「21世紀の初年なのに静かだなあ」と思っていたら、9月11日にドッカーンときた。NY同時多発テロは、一気に世界の枠組みまでを変えてしまった。テロ大量殺戮と報復攻撃という「新たな戦争」が、あらゆる議論を吹き飛ばした。一瞬の空白−−世界が思考停止に陥り、きびしい不況が拍車をかける。
20世紀は、科学という人類の叡智で非常に早い進歩を得た。その早さは、「速さ」を競うこととなり、終盤に登場したデジタル技術で、それが決定づけられた。
では、21世紀は前世紀のこの流れを受け継ぐだけでよいのか。こうした問題意識もあって、創刊222号(先月号)では、クリーン産業と思われていたITが、実は生産の過程と大量の廃棄によって有害物質が膨大に生じ、その汚染が深刻となりつつあることや、新しく登場した廃家電処理の社会的な課題を考えた。
石油と原子力に頼るエネルギー政策に対し、急速に進む燃料電池の開発と、それがITと組み合わされることで、これまでとまったく異なるエネルギー供給の社会システムが生まれることにも注目し、議論を試みた。
障害者(チャレンジドと呼ぶ)とITによる就労のテーマも、心優しき気鋭のジャーナリスト中和正彦氏を得て、連載が50回を超えた。そもそもは社会福祉法人プロップ・ステーションの竹中ナミ理事長が訴える「チャレンジドを納税者へ」という新しい日本づくりの提案に共鳴したことからで、この動きを代表するイベント「チャレンジド・ジャパン・フォーラム(CJF)」を支援。第7回が11月、三重県で開催され、全国にいる3人の女性知事のうち大阪府の太田さんが欠席したものの、千葉県の堂本さん、熊本県の潮谷さんが「結果の平等ではなく、チャンスの平等」という新しい社会像を、地方からの視点で語った。これはチャレンジドだけでなく、まさに構造改革が目指すべき日本の在り様ではないか。
2002年2月号、創刊223号。毎号、地面を踏みしめながら。 |
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