<編集長メッセージ「新志脳巧商」>

2002年5月号掲載(※記事全文)

 最近つくづく思うことがある。「コンテンツが大事だ」とよく聞くが、それは間違いではないかということだ。進化著しいIT技術が次々に製品を生み出し、ビジネスを求めてデビューする。生まれた子はかわいい。生みの親たちは、いい育ての親がほしい。それが「キラーコンテンツがほしい」ということになるのだろう。
 ところがどっこい、そうは問屋が卸さない。話を聞くと、技術の足りない部分をコンテンツの魅力でカバーできないかとの下心が見える。
 例えば、ブロードバンドで注目される動画配信のストリーミング技術。ここ1、2年で注目されているが、すでに関係者の間では「画質が重要だ」という意見が広がっている。昨年、日本画質学会(事務局・弊社)で「ストリーミングの画質を考える」セミナーを開いたが、ストリーミング画質を真正面から議論した最初の試みだと言われた。増えてきた「画質重要論」は、コンテンツ力のある映画やテレビの業界へのラブコールだろうが、ストリーミング事業立ち上げの苦戦は、そんなことでは解決しない。
 問題の所在は、画質にあるのではない。パソコンを端末にしていることの問題だ。いくつもの操作、バッファリングの待ち時間……、はっきり言って「普及」の大敵である「面倒な手順」がある。爆発したiモードなどのブラウザフォンは、買ったときから誰でも使える簡単な操作こそが普及の原動力で、この便利さが魅力的なコンテンツ群を呼び込んだ。要するに、技術が決めるのである。だから、技術こそが面白いと筆者は思う。「コンテンツが大事」とは、「たら、れば」の結果論だ。
では、BBストリーミングは技術の壁を乗り越えて、どう「化ける」のか。これまた楽しみだ。

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