<編集長メッセージ「新志脳巧商」>

2002年8月号掲載(※記事全文)

 先月号の本欄で「本当にジダンの地団駄があるかも」と書いたが、本当にその通りになってしまった。予選ラウンド敗退。1回のゴールシーンもなく去った。日本の地で、フランス代表を見ることがなくなった。「生」ジダンよ、さらば。
 これを書いているのが6月12日。死のリーグ、F組の突破をかけた激戦の日。予選ラウンドの山場を迎えた。私の気分は最高潮なり。9日のロシア戦を横浜国際総合競技場で、しかもゴール真裏の席から稲本の鮮烈なシュートを目の当たりにした。いまも瞼にスローで再生する。ベルギー戦の引き分けでチームが回転し、ロシア戦で自信を得た。決勝トーナメントをかけたチュニジアとの一戦では、見事に打ち破った。
 ところで、今回も襲ったチケット騒動。前回フランス大会はチケット流通の「闇」に惑わされた。「カラ売りチケット」と知りながらパリに渡った友もいた。今回は、問題所在がまったく違う。そもそも135万枚のチケット発売を扱うノウハウを持たないバイロム社に委託したこと自体、大いに非難されるべき問題だ。報道によると、兄弟経営のバイロム社はせいぜいがブローカー程度。ただ、FIFAブラッター会長との癒着からか、バイロム社に決まったそうだ。だとしたらムネオハウス疑惑なんて、かわいいのものだ。
 どうしてFIFAやIOCなどの国際スポーツ組織は、金にまつわる噂が絶えないのか。ロス五輪で成功したスポンサーシップ方式が、この20年ほどの間に肥大化し巨額マネーが集まる一方で、組織の運営はまだ「ドンブリ勘定」という未成熟なところがあるからではないか。だから、不正やワイロが横行するのだ。スポーツに関係しながら、ルール無き運営。ああー、金まみれの体質。マラドーナの肥満した体の方が、まだマシだ。
 私に言わせれば、ワールドカップに巣食う最大の「フーリガン」こそ、FIFAだと言いたい。ブラッターFIFA会長が途上国へのサッカー支援「ゴール・プロジェクト」の成果をいくら叫んでも、この体質では最後にサポーターから軽蔑され、スポンサーからは見放される。「神の手」は、現れるのか。案外腐った果実がお好きなのかも……。

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