「日本では、スポーツと障害者は同じように社会から離れた存在となっている」と話すのは、スポーツドクターで内科医の辻秀一氏。彼と出会ったのは、電動車椅子サッカーの全国大会(10月5日、6日の2日間、横浜ラポールで開催)における救急医療の応援をお願いしたときであった。
辻氏が設立した「エミネクロスメディカルセンター」は、氏が提唱する独自の新しいスポーツの概念−−「スポーツは医療である、芸術である、コミュニケーションである、教育である」にもとづく拠点だ。「そのスポーツをさまざまな事業としてコーディネートしていくことで、多くの人たちのQOL向上を心身面からサポートし、これを新しい医療と考え、社会貢献する」と謳いあげる。
学生時代にはバスケットボールでインカレ選手となったという体躯と、丸いメガネをかけた風貌からは相手を包み込む空気が流れる。
「ケガをしてからのスポーツドクターではなく、強くなるための医療を提供するんです。つまり、より強く戦う選手づくりを医療からサポートするもので、これまでにない新しい考え方です」。先日九州で行われた世界車椅子バスケットボール選手権大会(ゴールドカップ)では日本代表のチームドクターとして参加。初のベスト8入りで、その考えの正しさを示してくれた。日本のスポーツは「がんばれ」を連呼する根性主義。強くなるための「科学」がない。辻氏は、医療という面から「戦う集団づくりを科学する」わけだ。
エミネクロスのホームページには、「目指すはスポーツ版、パッチ・アダムス!」とあった。パッチ・アダムスとは、「笑いと優しさで病を癒す」医療を提唱する米国の医者のこと。病を治すのも、本当のアスリートを育てるのも、同じ「セルフイメージづくり」(辻氏)ということになるのだろうか。まさに、ITが実現しようとするものと同じではないか。 |
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