<編集長メッセージ「新志脳巧商」>

2003年1月号掲載(※記事全文)

 月刊ニューメディアは満19歳となった。テーマとするITの周辺では、ここ数年「ソリューション」なる便利な言葉が歩き、工場無きメーカー路線がコストカットの切り札とされ、「効率」の代名詞のごとくITが導入されてきた。
 だが、である。その効率化すべき産業自体が細ってはいまいか。モノづくりを見直し、ITを生かす試みが出てきた。IT新産業群もマネーゲームの後遺症から抜け出しつつある。やはり、モノを作る、だ。
 そんなとき、大平青年が自作したプラネタリウム「MEGASTAR」を知った。常識ハズレの170万という星を再現する。プラネタリウム製作では「常識の外」だが、大平さんが豪州で観た天の川、銀河系は、170万など人智の数でなかったという。「奥行きがあるんですよ」。なぜ「非常識の常識」に挑戦できたのか。好きだから? MEGASTARを自作したという事実は、私自身にとってショックだった。変人だから、常識はずれだから、夢があるから−−、どれもしっくりこない。
 そこへ「主任さん、ノーベル賞受賞」のニュース。「何でボクが−−という素直な驚き」、「研究していることが好きで、みんなから変人といわれていました」と話す会見には思わず笑ってしまった。それにしても田中耕一さんのキャラにはホッとする。そこにいたのは「主任さん」だった。そうそう、彼のキャラの話ではない。なぜ、田中さんや大平さんが夢中になり、のめりこむのか、だ。私の乏しいボキャブラリーでは「気概」ということではないかと思う。好きだから、骨があるってことか。
ともあれ、弊誌は来年11月に満20年となる。二十歳といえば大人の仲間入り。読者のみなさん、クライアントの方々、そして印刷、デザイン、カメラマン、ライター協力のみなさん、大人の雑誌を目指します。気概を持って弊誌を読み続けることは、立派なモノづくり、「読者が雑誌を育てる」ことなんですから。

バックナンバー目次 単品注文 定期購読申込

トップページへ (c) New Media, Inc. All rights reserved. New Media logo