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近い将来、巨大市場となることが確実な燃料電池の開発には、専門メーカーをはじめ、自動車、電機、エネルギー、化学など幅広い分野の企業が参入し、競争を繰り広げている。そこで本誌では2回にわたり、燃料電池開発・研究に参入している主な日本企業の相関図を掲載する。今回は前編として、家庭用・業務用コージェネレーションシステム、携帯端末、小型発電機などその他の用途に使われる燃料電池関連機器に焦点を絞った(自動車分野については、東京モーターショーに伴う新発表を反映させた相関図を次号に掲載する)。
世界を代表する燃料電池メーカーであるカナダのバラード・パワー・システムズ社と戦略的パートナー関係を結ぶ荏原製作所や、米国の代表的燃料電池メーカー、インターナショナルフュエルセルズ社と資本関係を結ぶ東芝を中心にした動きが目立つ。松下電器など他の電機メーカーは独自開発した燃料電池でデファクトスタンダードを狙う。新素材を採用したソニー、NECなどの動向は特に注目すべきだ。ガス会社は得意の燃料改質(天然ガスなどから水素を取り出す)技術を外国企業を含む他社に供与している。今後、さらに参入する日本企業が増えるとともに、出資、製品供給、技術供与などによるアライアンスの構築が活発化していくと予想される。
(渡辺 元=本誌編集部)
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