DLPの優位性を立証
5月22日、日本テキサス・インスツルメンツ(株)が「DLPテクノロジープレスセミナー」を開催。その中で、米テキサス・インスツルメンツ(TI)が、DMDおよびDLP技術の映像信頼性を実証するために、ロチェスター工科大学のマンセル色彩科学研究所(MCSL)に、DLP方式と液晶方式の画質について、経時変化の評価実験を依頼。その結果が報告された。
MCSLはTIの指示のもと、サンプルプロジェクター(DLP方式プロジェクター2機種、液晶方式プロジェクター5機種)に、同じ条件下で連続モードで投写を行い、色再現性などの経時変化を測定した。主な測定項目は、(1)輝度、(2)フルオン・オフのコントラスト、(3)ANSIコントラスト、(4)均一性、(5)赤・緑・青のフルオン・オフのコントラストおよびANSIコントラスト、(6)白・赤・緑・青の色度。
およそ4,700時間動作した結果、液晶は1,368時間で最初の劣化が発生。映像が色あせ、暗レベルが上昇、白色全画面およびANSIコントラストの低下が見られ、スクリーン映像が薄く黄変。その後青が抜けたという。液晶プロジェクターの映像品質が許容不可能なレベルとなるまでの平均的な動作時間は約2年であり、スクリーン映像の視覚的な性能の変化は徐々に進行するのではなく、突発的に発生するとのこと。
一方、DMDは4,700時間経過した後も映像品質は保持されており、DMDの性能が時間経過に対して安定していることを強調。製品寿命まで優れた映像品質を提供し続けるという。
DLPビジネスの動向
TIが独自に開発し提供しているDLP技術は、世界50社以上のプロジェクターメーカーが採用し、1996年から現在まで、150万台以上の製品が出荷されている。DLPの世界市場シェアは昨年より5ポイントアップの26%。データプロジェクター市場全体は2002〜2005年まで、年30%の成長があると予測している。
また、DLPシネマにおいては、世界で155の映画館がDLPシネマ機を設置(日本15館)しており、上映作品60本以上、上映回数は7万回を超え、観客動員数1,000万人以上と発表。
ホームエンターテインメント分野では、2002年6月、米国で3,000ドル台のDLP方式DTVが登場し、第二世代DTV時代に。2004年の第三世代では2,000〜3,000ドルの価格帯を目指し、マーケットシェア10%獲得をねらうという。
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