TOPページ > 2020年10月号の記事TSP-WARP新ビデオセンター

レスターコミュニケーションズ事例

斬新なフロアデザイン+最新Mac Pro導入
TSP-WARP新ビデオセンター安定稼働

掘りごたつを備えた編集室もあり、ゆったりとしたフロアデザインが魅力のTSP-WARP株式会社の新ビデオセンターが東京・六本木に誕生した。リニア編集とノンリニア編集の共存や最新Mac Proの導入などを成功させ、安定した稼働となっている。そこで、ビデオセンターのシステム設計を担当したTSP-WARPの園田行以氏とシステム構築を担った株式会社レスターコミュニケーションズ(RCC)に聞いた。(取材:月刊ニューメディア編集部)


全室から全ノンリニア機に
アクセス可能

 TSP-WARP は、六本木エリアの要望に応える映像制作の新拠点として株式会社東京サウンドプロダクション(TSP)とヴェルト株式会社が協力して稼働を開始した。最大の特長がIP化の導入だ。

全10室(ビデオ編集7室、MA3室)を構築。アイデアあふれる室内デザインや材質感で話題。特に掘りごたつのある編集室は人気

リニアとノンリニアのハイブリット編集室

簡単に動かせる移動型モニタ

 「全7室からPremiere(Adobe CreativeCloud)を使用でき、うち4室はリニア編集も可能です」とTSP-WARP園田氏は話す。この説明を少しひも解くと、導入されたPremiereは編集室の固定ではなく、利用する編集室からアクセスして利用できる、ということ。中には「ダブルPremiere」、つまり1室に2式のPremiereを呼び出せる編集室もあり、別途2式導入のAvid(Media Composer)との切り替えも可能だ。

 「六本木のTSP EXスタジオと10Gbpsの専用線で結ばれ、さらにソフィアスタジオとも間接的につながることで、サーバーを共有できます。ヴェルトの各ビデオセンター(汐留、台場、渋谷)とも接続しており、バーチャルクラウド感覚で利用できる、新たなコンセプトのビデオセンターです」(園田氏)。

 こうしたIPノンリニア特化によって生み出されたのが「リニア・ノンリニア編集の完全共存」という、一風変わった編集室だ。それは、「モニタ位置がエディタの座る位置に合わせて動かせる」もので、リニア編集の席に座れば左にスライドさせ、ノンリニア編集ならば右の席にと、見やすい位置にモニタを軽々と動かすことができる。

 「一見すると単純な構造ですが、モニタのケーブルが絡まって抜け落ちたりしないようにするのは、機材の性質上シビアです。ただ、リニア編集室にノンリニア編集を付け加えるのではなく、両者を『共存』させると、こうなると考えた提案です」(RCC映像ソリューション営業本部第一営業部門放送営業一部営業二課グループ長・豊島氏)。

 

新型Mac Proの導入決断は
RCCへの信頼


マシンルームにあるセンター制作システムと採用した最新Mac Pro

MA室も多様なニーズに対応

 TSP-WARPは最新のMac Proを採用した。園田氏は「5年先を見据えた場合、最新型を選ぶ以外はなかった」と話すが、そこにはApple採用の不安が伴う。すでに実績のあるバージョンではなく、2019年秋に登場した最新型である。マシンの説明もホームページからの情報しかない。さらに、Premiereという細かくバージョンアップがある編集ソフトであるため、安定稼働ができるのかという不安も大きい。それでも導入を決断できたのは、設計構築を担当したRCCへの強い信頼だった。

 「ヴェルトさんとは長い付き合いがあり、『無事に動くところまで組み上げてくれる』という信頼をいただいているのだと考えています。例えば、新型Mac Proでは、HDMIの端子が2つから1つに減っているので、その分をThunderbolt端子で補うしかない。では、HDMIのように安定して映像を出力するためにどうすればいいのか、といった課題がいくつもありました」(RCC豊島氏)。

 また、実際に動かした後に発生するトラブルもあるので、「別途最新Mac Proを導入し、稼働後も相談に対応できる体制を整えています」と豊島氏は話し、「放送専業の機器メーカーではないAppleやAdobeなどの製品を活用していく上で今後、検討していかなければならない課題として、保守・管理の契約の範疇を越えたサポートのあり方がある」と振り返る。なお、RCCではサポート専業の「レスターソリューションサポート」(RSS)を5月に設立しており、今後増え続けるサポート関連の対応を一層強化する体制を整えている。

 TSPとヴェルト、RCCの互いの信頼とノウハウが結集したTSP-WARPの新しいビデオセンター。掘りごたつなども生かした斬新なフロアデザインなど、関係者ならば一見の価値があるだろう。

 

@月刊ニューメディア2020年10月号掲載

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